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巽堂だより No.1(納豆編)

免疫を高める特効食材!!☆今回の食材は納豆です。

納豆にはアルギニンという免疫力を高めて若返り効果を発揮するアミノ酸が豊富に含まれています。

この効果には、成長ホルモンが深く関係しています。 成長ホルモンというと、子供の時期にだけ必要なものと思いがちですが、それは大きな間違いで、成長ホルモンは一生を通じて分泌され、老化防止に重要な役割を担っているのです。

成長ホルモンは脳下垂体から分泌されますが、その分泌量がピークに達するのは、17~19歳。 30代になると1/3量位に激減し、その後は10年単位でおよそ15%ずつ減っていきます。

私達は、30代も後半になると疲れが翌日に残ったり、シミやシワが気になったりして老いを感じ始めますが、これは成長ホルモンの分泌量が減ってくるからです。

1990年、アメリカで行われた老化と成長ホルモンとの関係を調べた実験があります。 この実験の結果によると、60~80歳の高齢者に成長ホルモンを投与したところ、半年後には肌や髪といった外見上の要素だけでなく、心肺機能や肝臓・腎臓の機能、代謝、そして免疫力などが10~20歳若返ったということでした。

また、体脂肪率も平均14%減り、筋肉は10%増加したと報告されています。

人間の体を作っているのは20種のアミノ酸です。 これらのアミノ酸がいろいろな形で組み合わさり、100万種ものタンパク質を作り人体を構成しています。

卵や肉や魚、大豆・大豆製品などのタンパク質食品を摂取すると、胃や腸で最小単位のアミノ酸にまで分解され、吸収されます。そして体の各組織に運ばれ、人体に必要なタンパク質の形に再合成されるのです。 先ほど触れた、成長ホルモンは、191種類のアミノ酸が結合したタンパク質です。 成長ホルモンの分泌を増やし、免疫力を高めるために日常生活で簡単にできる方法は、アミノ酸の一種のアルギニンを摂ることです。

アルギニンは脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促す役目を果たします。 アルギニンはほどんどの食品に含まれていますが、特に納豆に含まれるアルギニンは体内に吸収されやすい形になっています。

納豆を食べれば、効率よくアルギニンをとることができるのです。アルギニンが脳下垂体を刺激して成長ホルモンの分泌が増えれば、次のような若返り効果が表れます。

  1. 筋肉の増強作用
  2. 免疫機能の向上
  3. 新陳代謝の促進
  4. 脳の活性化
  5. 脂肪の燃焼効果

などです。

つまり、細胞の一つ一つの代謝が活発になり、それが免疫力を高め、内臓の働きや皮膚の若返りにつながるわけです。

納豆をかき混ぜると、白く糸を引いてねばりが生じます。 このねばりの中に含まれる納豆菌には、腸内環境を整え、O-157や赤痢菌、コレラ菌など人体に有害な菌の生育を阻害する働きがあります。

納豆菌の利点は、病原菌のような有害な菌には殺菌効果を発揮し、人体に有用な働きをする乳酸菌や酢酸菌を増やしてくれることです。特に乳酸菌を増やす働きは強力であることがわかっています。しかも、納豆菌には血栓溶解物や骨粗しょう症を防ぐビタミンK2などの物質も含まれています。 一粒の納豆には、多くの納豆菌が付着しているので、納豆菌の作用を期待するなら、少量の納豆でも効果は得られます。大切なのは一度に大量の納豆を食べるのではなく毎日食べ続けることです。

腸を丈夫にして免疫力を高める納豆は、まさに日本人が生み出した健康食品といえるでしょう。

免疫医学研究会 2010年 11月号より

更新日:2015.11.06

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