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TOKYO漢方鍼医会だより H28年度6・7月合併号

皆さんこんばんは。

明日から高円寺では「高円寺阿波おどり」が行われます。毎年8月の下旬の土曜日・日曜日に行われています。昭和32年に始まった「高円寺阿波おどり」ですが、現在は踊り手・観客合わせて約100万人もの人々が高円寺に集結する大イベントとなりました。そんな阿波おどりで賑わう高円寺ですが、当院は明日ももちろん診察いたします。毎度おなじみ新井芙美法が今回もお送りいたします。

 

ではまずは「食いしん坊いらっしゃい」のコーナーから。

夏場といえど何故だかカレーが食べたくなる日はありませんか?世界のイチロー選手は毎朝のルーティンに朝カレーをしていましたし、リオ五輪で日本の体操復活の立役者内村航選手もカレーが大好物だそうで、そんな世界で活躍する彼らと並べて私もカレーが好きなのです。以前もカレー屋さんは行きましたが、今回は神保町にありますボンディ(Bondy)さんへ。

注文したのは「ビーフカレー」。まずはごろっとホクホクのジャガイモをバターと共に出てきました。なかなかのボリュームです。その後にカレーが運ばれてきます。ライスにはチーズがかかっており、カレーは具材がゴロゴロっと入っており、これまたボリュームがあります。カレーはスパイスと共に野菜や果物から出る旨みと甘みがありとてもおいしいかったです。カレーが別容器なので食べ終わるころにはかなり満腹でした。おなかはおイモさんが少し幅を取りすぎた模様です(笑)。

『ビーフカレー』

とまた長くなりそうなので、ご興味のある方は治療院にてつづきのお話しを!(笑)

 

前置きが長くなりましたが、毎月の第四日曜日は、我々が日々治療のために参加している東京漢方鍼医会の日です。

今回の内容は前回の本部会同様、6・7月合併号でおおくり致します。

まずは、6月のカリキュラムです。

・第一席:「難経による四診法① 望診・聞診」 担当:青島崇裕
・第二席:「難経80・81難 難経ディスカッション」 担当:新井芙美法
・  午後  : 実技研修「祖脈診・取穴(膀胱経)・応用実技(小里式)」

まず第一席目は、青島嵩裕先生による「難経の四診法① 望診・聞診」でした。①となっているのでシリーズ企画となっているようで、また7月にもスケジュールが組まれています。その様子は後程・・・

鍼灸では患者さんのからだの状態を把握するため四診法というものがあります。四診法というだけあって診察する際に、望診・聞診・問診・切診の四種類を駆使して治療を進めていきます。

今回の講義は、その中の二種類である、望診と聞診について理解を深めていきます。

当院にご来院してくださっている方はすでにご存知かもしれませんが、写真手前のPCを使いこなしながら講義している方は、当院のスタッフの青島嵩裕先生です。

彼は今年から当院に入ったスタッフではありますが、当院と青島先生のつながりはもっと以前からあるのです。いろいろとお話をすると画面のスクロールでブログを読んでいる方の指が腱鞘炎になってしまうと大変なので、お話が聞きたいという方は当院でお待ちしております。

簡単ではございますが当院のスタッフ紹介ページをご覧になっていただけたらと思います。写真の撮影がまだですが、青島先生の紹介ページはこちらから。「スタッフ紹介」

               

「手前がPCやタブレットを使いこなすデジタルな青島嵩裕先生」

話は戻りますが、望診とは、視覚を用い患者の体表を観察することでその病態を把握する診察法です。

過去のブログの中に何度か出てきていますが『難經』という昔の東洋医学に関する記載のある本の中には「望みて之 これ を知る、之を神と謂 いう。(中略)望みて之を知るとは、其の五色を望み見て、以 もって、其の病を知るなり。」と記されており、体表に現れた五つの色を診ることで患者の疾病の状況を把握できることが書かれています。
ここで言う五色とは「肝の色は青、心の色は赤、脾の色は黄。肺の色は白、腎の色は黒」とあり、青・赤・黄・白・黒で五蔵との関係が書かれています。

東洋医学では、この五蔵の機能がうまく働かないと様々な体の不調をきたす原因となります。例えば、なんだか顔色が青っぽいときは肝臓の機能がうまく行えていないのではないか?と考えたりすることができますね。

もっと言うと他にもいろいろと考えることは出来るのですが、混乱を招く恐れもあるのでこのくらいにしておきます。

このような感じで望診からからだから情報を得ていきます。

続いて、聞診について。。。と話をすると長くなりすぎて、もしお昼休憩の時間に読んでる方がいたらお疲れの体が休まらないのでまた今度の機会にご紹介いたします。

 

第二席目は、「難経ディスカッション 80難~81難」でした。今回はこの『難経』と言う本の最後の部分です。そんな大事なところですが、わたくし新井芙美法が講義させていただきました。

80難は、鍼灸師のわたしたちが行う鍼をする際の鍼の出入方法についてのことが記されている部分です。

私たちは経絡という「エネルギーの通る通路」のようなものの中に点在するツボという「エネルギーの出入りする穴」を手や指の感覚から探し出します。ただツボに鍼を刺せばいいわけではなく、患者さんそれぞれに合ったツボを選んで鍼をしていきます。みなさんは、鍼と言うと怖いイメージや痛いイメージをお持ちではないですか?また、トントンとただ鍼を打っているように感じる方もいるかと思います。この80難には鍼を刺したり抜いたりする動作の中で、どのような部分に気を使いながら施術を行っていくか。という大事なことが記さている部分なんです。

81難については、さらに専門的な部分になってくるかと思うので、こちらも機会があればご紹介いたします。

               

「左側が新井芙美法。当日は暑かったですが発表ということでジャケットを羽織ってみました(汗)」 

続いて7月のカリキュラムです。

・第一席:「夏期研プレ発表」 担当:神岡孝弘
・第二席:「難経による四診法② 脈診」 担当:川上怜
・  午後  : 実技研修「祖脈診・取穴(膀胱経)・応用実技(小里式)」

とあるように第二席目には、当院スタッフ川上怜先生の講義があり、ここ数か月当院スタッフは治療の合間をぬって発表の準備をしており日々時間に追われておりました(笑)

川上先生の発表は、6月の青島嵩裕先生の四診法①に続いての第二弾「難経による四診法② 脈診」の発表でした。

               

「手前が発表中の川上怜先生。わたしと打って変わって涼しげです(笑)」

脈診とは、手の示指・中指・薬指の三本の指を用いて患者さんの手首の脈動する場所に指を触れて、その脈の打ち方から体の状態を把握していく診察法です。そのほかにも脈の診方はあるようですが、我々が重きを置いている『難経』にはこの手首を診ていく脈診について記されています。

脈象という脈の表わすかたちには28種類あるとされており、それが絡み合いながら体の情報を指先から読みとっていきます。またその脈象の打つ指の位置などでからだが表す情報も変わってきます。専門的なことになるので講義の内容はお伝えしにくいですが、治療にお越し頂いた際は、患者さんの症状などを四診法から得た情報もふくめてからだのなかでどんなことがおこっているのかをお話ししていきます。治療に疑問点などわからないことがないように進めていきますので安心ください。

 

我々スタッフも院長たちに負けじと日々勉強しながら臨床をしております。ただでさえ鍼には、怖い・痛いなどのマイナスイメージがあるかとおもいますが、そんなイメージを吹き飛ばすように安心して気持ちよく治療を受けていただけるよう当院スタッフ全員で努めさせていただきます。明日も診療が終了し次第、名古屋で開催される鍼灸の勉強会へ向けて出発いたします。ので29日(月)は休診日とさせていただいております。ご了承下さいませ。

私も家に帰って早く荷造りしなくては!!ではみなさんお体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

更新日:2016.08.26

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