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【「冬」の季節特有の病と養生】

みなさんこんばんは

巽堂新井はり灸院スタッフの新井芙美法です。

東北ではすでに雪が降り、東京の気温も10℃近くになり、いよいよ冬の訪れを感じざるを得ません。
季節が急に変わる昨今、今年の冬の到来はウサインボルトのような速さでやってきました。

急な気候変動、一日を通しての気温差など、環境に適応する能力を持つ人間は知らず知らずのうちに体力を消耗しているものです。

以前もブログのどこかでお伝えしましたが、季節の区分は色々とあります。
みなさんもご存じかと思いますが、一般的に「季節」といえば春・夏・秋・冬の「四季」をイメージするかと思います。
そこから季節の移行期間ともいえる立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を含めた「五季」というものがあります。
さらには東洋医学では季節を6つに分けた「六気」というものも存在します。

当院では、これら様々な季節の区分を考慮して、今身体に影響を及ぼしやすい邪気を症状や脈と照らし合わせて治療をすすめていきます。(季節の区分は細かな説明を要しますので今回は割愛いたします泣)

これらの季節の区分のどれにおいても「冬」になりましたので、今回のテーマはズバリ【「冬」の季節特有の病と養生】なのです。

というわけで、そんな厳しい冬を乗り越えるために是非最後までお付き合い下さい。よろしくお願いいたします。
ではLet’s Start!!

「冷えを吹き飛ばせ!」冬の腰痛に負けない身体づくり

秋から冬になると寒さはより一層強くなり、身体の不調では「腰痛」が増加する時期となります。
それは、「寒湿の邪気」が下肢より侵入し身体の気や血のめぐりを停滞させるため起こります。

度々説明していますが耳にタコができても説明していきます!寒湿の邪気の侵入経路は主に下肢より侵入してきます。また、それぞれの邪気は気や血のめぐりを著しく悪くする性質があります。湿気を帯びることで寒さというのは一層増します。

想像してみて下さい。冬の寒い日に傘を忘れて雨に濡れてしまいました。さぁどうでしょう?身体は一気に冷えて筋肉はガチガチに冷えて固まりガタガタと震えてしまうでしょう。

対策としましては、とにかく冬の腰痛は「温める」ことが大切です。
内側は温かい飲食物を摂取して温めて、外側は暖かい衣類をまとい、湯船にもしっかりと入るようにして身体を温めるように心がけましょう。
もちろんお灸をするのもとても効果的です。患部にするのも良いですし、遠隔的に下肢のツボにお灸をするのも良いでしょう。

ただし急性腰痛、通称「ギックリ腰」には注意が必要です。
温めることは気・血のめぐりを改善させ、痛みの原因である「不通則痛」つまり経脈の停滞を解消させる方法ですが、炎症がある患部に血流が豊富に流れ込むことは、患部組織の内圧が高くなり痛みを強く感じる場合があります。ぎっくり腰の場合は、温めすぎないことも時には大切です。

「寒さに負けるな!」東洋医学が導くかぜ対策

インフルエンザにコロナなど冬季は風邪の流行する季節です。特に太平洋側では乾燥を伴う寒気が襲うため、鼻や喉の症状が起こりやすいかぜにも注意が必要となります。
今年はさらに暖冬などと言われているため、暖かくなった後の寒い日には、特に注意しないとかぜを引きやすくなります。

冬季は身体が引き締まり、皮膚の腠理(肌のキメ)も閉じて身体の熱を発散させないようにしています。
しかし、冬でも暖かい日には腠理が開きやすくなり、邪が侵入する入口となります。

そのため暖かい日の後に来る寒い日は、一層注意が必要となり、運動をして汗をかいたり、長時間外に出て身体を冷やしたりすることをなるべく控えることをオススメします。

ウイルスの侵入経路である鼻や喉の粘膜は、冬季の乾燥により免疫機能が低下します。その結果、容易にウイルスの侵入を許してしまいますので、対策としては保湿がとても重要になります。こまめな水分補給や加湿器の使用もかぜ予防としては効果的です。

「冷たい季節でも心は温かく」冬に整える心臓の働き

心臓が絶えず動くことで人間は生きることができます。それはまるで車に搭載されたエンジンのようなものです。
心臓は陽気の多い臓器で、五行では「火」に属します。その働きは感情をコントロールし、血液循環を担う、人間が生きるうえではとても重要です。

心臓が絶えず動けるのには、熱が過剰にならないように、ラジエーターのように冷やす働きをもつ「腎臓」つまりは「水」の働きもとても大切です。
冬季は寒い季節であることは言うまでもないですが、陽気の多い臓器である「心臓」と陰気の多い臓器の「腎臓」とのバランスが、「冬」を担当する「腎臓」の方へ、つまり陰に偏る傾向があります。
そうすると心臓の機能が悪くなり、高血圧や動悸などの心疾患、鬱症状など精神性疾患が起こりやすくなります。

冬は「閉蔵(へいぞう)」とも言われ、蔵の戸を閉じて春の季節までエネルギーを消耗しすぎないように蓄える季節であるとされます。
養生としては、身体の陽気を奪われないように、汗をかきすぎないように運動は控え、規則正しい生活を心がけ、良く睡眠をとるようにしましょう。

まとめ

以上、これからやってくる厳しい冬を上手に乗り切るために、東洋医学的に「冬」についてお伝えしていきました。いかがでしたでしょうか?

今年は暖冬といわれているため、「暖かいな~。お出かけしよう!」なんて日の後は、身体は知らず知らずのうちに油断をしているので特に注意をして下さい。

私たち人間は、否が応でも空と大地の間で生かされているので、否が応でも気温や気候の影響を受けてしまいます。敵を知れば対策もとれることでしょう。東洋医学を活用しながら快適な毎日を過ごせると良いなと思い今回もつらつらと書かせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

更新日:2023.12.05

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