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巽堂だより No.5(にんにく編)

アンチエイジング 病気にならない秘訣 免疫の基礎知識

● 免疫を高める特効6食材 ● 
シソ、ヨーグルト、海藻、納豆、きのこ、にんにく

☆今回の食材はにんにくです。

にんにくは、中央アジア原産のユリ料ネギ属の多年草で、何千年も昔から世界各地で病気の治療や予防に利用されてきました。日本でも、古くから熱冷ましや風邪などの民間療法に使われてきましたが、近年では特に脚光をあびるようになっています。

そのきっかけとなったのが、1990年に始まった、アメリカ国立がん研究所によるガンを防ぐ植物性食品の研究(デザイナーフーズ・プログラム)です。この研究の目的は、野菜や果物、香辛料、穀物などの植物性食品に含まれる成分が、がん予防にどのような役割を果たすのかを解明することでした。

この研究の結果、がん予防効果が大きいとされる48種類の食品がリストアップされ、にんにくはそのトップに位置づけられたのです。実際、これまでの大規模な疫学調査によっても、にんにくは乳がん、大腸がん、胃がんの、予防に有効であることが確認されています。

また、マウスを使った動物実験でも、皮膚がん、大腸がん、肺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、口腔がん、乳がんなど、あらゆる部位の発がん抑制効果があることが報告されています。 免疫力を高める代替医療の先進国であるアメリカでは、にんにくはがん予防食品として広く認知されています。

さらに、がん予防だけでなく、血栓防止や血行促進作用をはじめ、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、胃潰瘍、感染症など様々な病気予防に役立つことも明らかになっています。にんにくには、タンパク質、ビタミンB1 ・ C、リンなど様々な成分が含まれていますが、がんに最も影響をおよぼす成分は、幾種かのイオウ化合物が関係していると考えられています。

たとえば、にんにくの匂いのもとであるアリシンという成分があります。 にんにくに豊富にふくまれているアイリンが酸素に触れると、同じくにんにくに含まれるアリナーゼという酵素が働いて、イオウ化合物のアリシンに変わります。 このアイリンがアリシンに変化する過程で、様々な薬理作用が生まれることがわかっています。 アリシンは細胎内に浸透しやすく、酸素と結びつきやすい性質をもっています。 そのため、遺伝子細胞膜のかわりに活性酸素に利用され、体外に排出されます。

つまり、アリシンなどのにんにく成分が酸化されることで、万病の原因になる活性酸素の発生を防ぐことができるのです。

こうしたにんにくの抗酸化作用は、アリシンの他にも、アリル系、メチル系有機化合物などのイオウ化合物が関係しています。 これらの成分には、 「がん細胞を自殺(アポトーシス)に導く」 「がん細胞を増殖させる新生血管の形成を抑制する」 「活性酸素による遺伝子の損傷を防ぐ」などの作用があり、 更に詳しい研究が進められているところです。

この他にも、にんにくには免疫の機能を高めるゲルマニウムなども含まれています。 このように素晴らしい薬効をもつにんにくですが、食べ方には注意が必要です。 にんにくを食べ過ぎると、胃の粘膜に強い刺激与えます。 そのため、胃の弱い人が空腹時ににんにくを食べると、胃腸の不調を起こす恐れがあります。 また、にんにくを食べ過ぎると赤血球が減り、貧血を招くこともあります。 そこで、1日あたり1~3カケの適量をとることが、にんにくの薬効を効果的に得るコツといえます。

● がんの予防に効く食材 ●
キャベツ、大豆、生姜、ニンジン、セロリなど

更新日:2015.11.06

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